2024年1月4日に新発売となったナイキが誇る厚底カーボンシューズ「アルファフライ3」
私はヴェイパーフライ3が発売した時同様に、ホワイトを基調としたカラーにオレンジのアクセントカラーのプロトタイプを運よく発売日に購入することが出来ました。
「アルファフライ3」発売前の2024年ニューイヤ駅伝や箱根駅伝で既に何人かのランナーが履いていて多くの反響があった「アルファフライ3」
しかもこれまでどちらかというと超アスリート向けだった「アルファフライシリーズ」ですが、今回の「アルファフライ3」からは市民ランナーの着用も想定して作られているようですので、私のようなサブ3.5レベルのランナーさんでも「アルファフライ3」の存在はかなり気になっているはずです。
以下ナイキ「アルファフライ3」について事細かにガッツリレビュー致します。これから「アルファフライ3」を購入しようかお悩みの方の参考になりましたら幸いです。
ちなみに私の過去5年間のベストタイムは、
10キロ:39分16秒(伊達ハーフマラソン)
ハーフマラソン:1時間24分02秒(2024年東京レガシーハーフマラソン)
フルマラソン:3時間25分12秒 (2024年洞爺湖マラソン)←アルファフライ3を履いてサブ3.5達成!
というタイムです。俗にいうサブ3.5ランナーが物申している、という感覚で捉えてもらった方が良いです♪
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前作「アルファフライ2」と新作「アルファフライ3」の違いは?
市民ランナーでの使用を想定して作られたという「アルファフライ3」ですが、前作「アルファフライ2」と一体どこが変わったのでしょうか。
以下前作との大まかな変更点についてご紹介致します。
前作からの変更点①:アウトソールのソールかかとからつま先までが連結された
私はアルファフライの初代モデルを購入して履いておりましたが、2代目モデルは購入しませんでした。ただ初代と2代目とではかかと部分の剃り出しくらいの違いしかありませんので、初代アルファフライを元に変更点をお伝え致します。
アルファフライ1と2ではアウトソール(靴裏)のエアの部分のつま先とかかとが分離された設計でしたが、
「アルファフライ3」ではこのつま先のエアの部分とかかとが一体かされたアウトソールへと大きく変更になりました。
ナイキによるとつま先かかかと部分を一体かすることによってつま先以外で接地してもスムーズに体重移動が行えるとのことです。
変更点②:幅が広がり安定感が増した
元々アルファフライシリーズはつま先の幅が広く作られておりましたが、
「アルファフライ3」ではこれまでのアルファフライ1・2と比較してもさらに幅広く作られました。
ソールの幅を広くすることによって更なる安定性が高まったと言えます。
前作からの変更点③:ミッドソール素材「ズームXフォーム」を増量
ただでさえミッドソールが分厚いアルファフライシリーズですが、アルファフライ1・2と比較して「アルファフライ3」は軽量かつ反発性に優れたミッドソール素材「ズームXフォーム」を増量。
これまで以上にクッション性が高まったと言えます。
ナイキ「アルファフライ3」のスペック
ナイキ「アルファフライ3」の全体像について以下にご紹介致します。
フィット感やサイズ感は?
「アルファフライ3」のアッパー(シューズの生地のこと)素材には最新鋭のアトムニット 3.0を使用し、足を快適に包み込み、通気性と中足部のサポート性が向上されております。
シュータン(靴ベロ)はシューズと一体化した作り。これはこれまでのアルファフライシリーズと同様の仕様です。
かかとのズレを予防するパットもシューズ全体の軽量化のために必要最小限に配置されております。
ちなみに私はナイキを含めて他社厚底カーボンシューズは全てサイズ25.5センチで、「アルファフライ3」も25.5センチを選択。裸足で足を通したサイズ感はジャストサイズでした。
ただ「アルファフライ3」はシューズとシュータンが一体となっている影響か「ヴェイパーフライ3」と比べるとやや窮屈感があります。一度店舗で履いてみてから購入されることをおすすめ致します。
「アルファフライ3」の重さは? 他社厚底カーボンシューズとの比較
見た目ゴツっつい「アルファフライ3」ですが、片足25.5センチの重さを測定してみると、
その重さは182gと200gを切ってくる軽さです。こうして手に取ってみてもその見た目のゴツさとはびっくりするくらいの軽さを感じます。
ナイキ「アルファフライ3」をナイキ以外の他社競合厚底カーボンシューズと比較してみました。全て片足25.5センチでの重量測定です(※ヴェイパーフライネクスト%3のみ26.0センチ)
メーカー名 | 商品名 | 一足の重さ (25.5㎝) |
ナイキ | アルファフライ3 | 182g |
ナイキ | ヴェイパーフライネクスト%3 | 178g |
ナイキ | アルファフライ | 190g |
ナイキ | ズームフライ5 | 260g |
アディダス | アディオスプロ3 | 197g |
アシックス | メタスピードエッジプラス | 188g |
ホカオネオネ | ロケットX2 | 192g |
かなり軽いと言われている同じナイキ「ヴェイパーフライネクスト%3」と4gしか違いがありません。他社厚底カーボンシューズと比べても遜色ない軽さだということがお分かり頂けると思います。
クッション性・反発力・推進力は?
「アルファフライ3」のミッドソール(クッション部分の素材)にはナイキ至上最軽量かつ、もっとも弾力性に優れたフォームである「ズームXフォーム」が前作同様に採用。
前足部に搭載された2つのナイキ エア ズーム ポッドが高い推進力を提供してくれます。
私が履いてみた感触としては、シューズの前よりにズームXフォームが集中してますので「アルファフライ3」はつま先走りの方にはより高い推進力が得られると思います。
グリップ力と耐久性は?
アウトソールにはつま先とエアポッド部分にラバーが施されてます。
前作よりもより硬めで耐久性が高そうなラバーが採用されてます。ゴツゴツしてますのでグリップ力も高そうです。
かかと部分にもこれまでのアルファフライシリーズ同様に左右にラバーが施されてます。
ただ「アルファフライ3」はこれまでのアルファフライシリーズと比較して軽量化が図られてます。特にアウトソールラバーは「アルファフライ3」では軽量化のためか最小限に配置されているように感じます。
通気性_撥水性・速乾性は?
「アルファフライ3」のアッパー(シューズの生地)素材には最新鋭のアトムニット 3.0が採用されてます。触った感じザラザラとした素材ですが、インナーソールのオレンジカラーがすっかり透けてしまう薄くて頑丈な素材です。
特に夏場のレースでは雨が降ったり給水で水を被ったときにシューズが濡れることがあるかと思いますが、このアトムニット3.0という素材は、通気性が高く、撥水性こそありませんが速乾性が高くなってます。
夏場のレースで威力を発揮してくれそうです。
「アルファフライ3」を実際に履いて走ってみた感触は?
「アルファフライ3」が発売になったのが2024年1月4日。北海道在住の私は3ヶ月の雪時期を経てようやく「アルファフライ3」を履いてハーフマラソンとフルマラソンのレースを走ってみました。
まずは一発目2024年4月21日に行われた「伊達ハーフマラソン」でアルファフライを使用。11月から3月末までの4ヶ月間、ほとんど走っておらず1ヶ月の急ピッチで仕上げましたが、それでもサブ90達成!1時間29分7秒で走れました。
続いて2024年5月19日に行われた「ANA洞爺湖マラソン2024」のフルマラソンでもアルファフライ3を使用。こちらも1ヶ月半の急ピッチで仕上げましたが、結果は自己ベストを7分半更新する3時間24分12秒でゴール!
両レースともに思いのほか、タイムが良かったです。これもアルファフライ3のおかげかと思います。
ハーフマラソンとフルマラソンをアルファフライ3で走った感想としては、
- 反発力と推進力はかなりあるが、私のようなサブ3.5レベルのランナーでもクセなく履きこなせる走りやすいシューズ
- 反発力が強いので後半脚に負担がかかると思いきや、全くなかった
- シューズの足幅が広いので、窮屈感を感じることはなかった
- 途中でソールのエアがオナラこいたみたいにバフバフいうことがあった(笑)
- アウトソール真ん中の溝に石が詰まることがあるので、石が多めのレースには使用しない方が良いかも
私のフルマラソン自己ベスト更新に一役買ってくれたことは間違いありません。これまで履いた幾多の厚底カーボンの中でもかなり扱いやすいシューズだと感じました。
「アルファフライ3」は市民ランナーでも履きこなせるように作られたというコンセプトの意味を身をもって体感致しました。
あと気になる耐久性ですが、ハーフマラソン・フルマラソン2レース走り終わったアウトソールの状態がこちら↓
走り方のクセなのか、かかとの内側部分のミッドソール素材「ズームX」が剥き出しとなった部分にスレが生じてしまっております。ただ外側の白いラバー部分のダメージはほぼなし。
アウトソールつま先部分も溝に若干のスレが生じたものの、まだまだ8割から9割溝が残ってます。
ナイキ「ヴェイパーフライ」や「アルファフライ」で問題視されてきた耐久性も「アルファフライ3」では大きく改善されたと言って良いでしょう。これは長持ちしそうです。
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「アルファフライ3」と「ヴェイパーフライ3」との比較
同じくナイキの厚底カーボンシューズとして有名なのが「ヴェイパーフライネクスト%3」です。どちらかというと「ヴェイパーフライ」の方が万人には知名度も高いかと思います。その「ヴェイパーフライネクスト%3」と「アルファフライ3」を比較してみました。
まずは圧倒的にミッドソールの厚さが違います。ミッドソール素材にはどちらも「ズームXフォーム」を使用しておりますが、その分厚さが見た目からも「アルファフライ3」の方が多いということがお分かり頂けると思います。
こうしてかかと同士を並べてみても右側の「アルファフライ3」が圧倒的に高さがあるのがお分かり頂けると思います。
「アルファフライ3」のかかとのボリュームがすごい・・
続いての違いはシュータン(靴ベロ)です。左側の「アルファフライ3」はこれまでの「アルファフライシリーズ」同様にシューズと一体となったシュータンなのに対し、「ヴェイパーフライ3」はシューズと分離したシュータンになってます。
なので「アルファフライ3」の方がシューズと脚の一体感があり、まるでソックスのような感覚です。
アッパー素材にも違いがあります。触った感じはあまり変わらないのですが・・左の「ヴェイパーフライネクスト%3」はフライニット、右の「アルファフライ3」はアトムニットという素材が採用されてます。
穴の大きさからみても「ヴェイパーフライネクスト%3」の方が通気性は高そうです。
そして一番大きな違いはアウトソール(靴底)です。
「アルファフライ3」の方が溝が多く、無駄が削ぎ落とされてます。
また足裏の幅も違います。「アルファフライ3」の方が広いです。
こうして両方のシューズの底をピッタリとくっつけて幅を比較しても、左側のアルファフライの方が0.5センチほど広いのがお分かり頂けると思います。
かかと部分も合わせてみました。踵も0.5センチくらい左側の「アルファフライ3」の方が広くなってます。
ただ両方のシューズの全体像を見て頂きたいのですが、右側の「ヴェイパーフライネクスト%3」方が明らかに長いのがお分かり頂けると思います。
これは踵部分が手前の「アルファフライ3」よりも奥の「ヴェイパーフライネクスト%3」の方がかかとを突き出してとんがっているからです。
なので「アルファフライ3」はつま先の安定感があるのに対し、「ヴェイパーフライネクスト%3」はシューズ全体に安定感があるように私は感じました。
両方のシューズどちらかを選択するとなると「アルファフライ3」はつま先走りのランナー、「ヴェイパーフライネクスト%3」はミッドフット走法のランナー向きかと感じました。
ナイキ「ヴェイパーフライネクスト%3」のレビュー記事を書いてます。ぜひこちらも参考にしてください↓
「アルファフライ3」のお値段は?他社厚底カーボンと比較
さて昨今原材料費の高騰の波がランニングシューズにも押し寄せており、厚底カーボンシューズは3万円超えも当たり前の時代となってしまいました・・
気になるナイキ「アルファフライ3」のお値段ですが、以下ナイキを含めて他社厚底カーボンシューズの定価(税込)と比較してみました。
メーカー名 | 商品名 | 定価(税込) |
ナイキ | アルファフライ3 | 39,655円 |
ナイキ | アルファフライ2 | 39,325円 |
ナイキ | ヴェイパーフライネクスト%3 | 35,750円 |
ナイキ | ズームフライ5 | 19,800円 |
アディダス | アディオスプロ3 | 26,400円 |
アシックス | メタスピードエッジプラス | 27,500円 |
アシックス | メタスピードスカイプラス | 27,500円 |
ホカオネオネ | ロケットX2 | 35,200円 |
2023年7月からナイキはランニングシューズの値上げに踏み切りました。その時に前作「アルファフライ2」が定価39,325円まで値上がりしましたが、新作「アルファフライ3」の定価は39,655円・・ 前作よりも330円値上がりしました。
かろうじて4万円は超えなかったものの、マラソン大会の値上がりに加えて、厚底カーボンシューズの高騰と、ランナーのお財布事情には厳しい時代となりました。それだけシューズが進化しているということでしょう・・
まとめ:「アルファフライ3」はフルマラソンサブ3.5、ハーフマラソンサブ90を狙うランナーにおすすめ
私は「アルファフライ3」を履いてフルマラソンの自己ベストを7分半更新する3時間25分12秒で走ることが出来ました。
ある程度走り込んで脚力を作るというのが大前提ではありますが、やはりシューズの恩恵に預かったのは間違いありません。
私がハーフマラソンとフルマラソンで「アルファフライ3」を履いた感触としては、
- フルマラソンサブ4(4時間切り)以上を目指すランナー
- ハーフマラソンでサブ90(1時間半切り)を目指すランナー
結構幅広い脚力のランナーさんに使えるクセのないシューズかと感じました。
それなりのお値段はしますが、お値段なりの価値(記録)もついて来ることが私が身をもって体感しましたので、クセがなくどんなランナーでも履きこなせる厚底カーボンシューズをお探しのランナーさん、記録を狙っているランナーさんにぜひおすすめしたい厚底カーボンシューズです。
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